(29日、プロ野球 福岡ソフトバンクホークス5―4埼玉西武ライオンズ)
両手を上げて、ソフトバンクの柳田悠岐は歓喜の輪に飛び込んだ。手荒い祝福が心地いい。
「みんな喜んでくれているなと。本当に奇跡が起きた。野球をやっていてよかった」
- 17年前、王さんは叫んだ「立つな!」 WBC優勝への勝負師の気迫
2020年7月の楽天戦以来、自身6本目のサヨナラアーチ。チームを今季初の6連勝に導いた一振りを「奇跡」といい、興奮気味に振り返った。
小久保裕紀監督は「映画でも、ちょっとくさすぎる展開」と表現した。
2点を追う九回2死一、二塁。敗色ムードが漂うなか、柳田は打席に向かった。「何とかつなごうと。ヒットを打ちたいなと思った」
1ボールからの2球目。内角高めにきた直球を捉えた。「(バットの)芯付近に当たった。あとは入ってくれと」。打球は右中間テラス席への2号逆転3ランとなった。
西武から移籍した山川穂高が4番に座り、5番には近藤健介が控える。3番の柳田は「後ろに好打者がいるので、次につなげる意識でいける」と話す。
リーグトップの23四球、同2位の29安打で、出塁率は5割近い。チャンスメーカーの役割を果たしながら、ここぞの場面では決めるのが頼もしい。
3試合連続のサヨナラ勝ちは、プロ野球では16度目。チームでは南海時代の1961年5月以来、2度目の快挙だ。
ホークスの福岡移転後、2500勝目の節目を劇的に飾り、「貯金」は今季最多の11まで増えた。(鷹見正之)
長谷川(ソ) プロ3年目。4番手で救援し、初勝利。「いきなり(白星が)舞い込んできたので、あまり実感はないですけど、うれしいです」